鎌倉ものがたり(映画)
この映画は、心をうつものがあります。
冒頭から正和と亜希子の仲が何とも心地よさを感じさせます。
ゆったりとした時間の中に夫婦で新しい生活を築いて行く姿が何とも微笑ましい。
夫、正和の鉄道オタクの趣味と、それを嗜める亜希子の関係。
貧乏神すら家に引き止めてもてなす亜希子のお人好しすぎる行動を嗜める正和の行動。
皆で支え合い、ゆったりとした時の流れの中に、日々が平和に過ぎて行く。
普段気づかない幸せが、そこに存在している。
後半の物語が動き出したあたりで、亜希子が黄泉の世界へ行くことを決めた時に、「亜希子なしで長生きしたからってなんだって言うんだ。」「幽霊でも亜希子は、亜希子だ。」と言う正和の台詞。
あぁ、そうだよね。
本当に大切なのは、大切な人との幸せな日々が続いて行くことだよね。
時代の変化が激しく、今や人工知能やVRなんて昔は漫画の世界にしか存在しなかったものが存在するほどの進歩を遂げた現代ですが、昔に大切なものを忘れてきてしまった気がします。
多くの人とネットで希薄な関係を築く現代に、また、少なくても濃い人間関係の築けるローカルな世界が訪れて欲しい。
そんな気を起こさせる素敵な話でした。